【実証実験の状況報告】新潟市産学官連携5G実証実験

2020年11月30日 お知らせ

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令和2年度 実証実験プロジェクト事業補助金

実証実験の概要

新潟市内に第5世代移動通信システム(5G)の環境を整備するとともに、5Gを活用したイベントを実施することで、映像系コンテンツ産業をはじめとする新たなサービスとビジネスの創出を加速させる。

事業名

5G×映像系コンテンツ(VTuber、等)による産業創造をチャレンジ

実施者

株式会社NTTドコモ 新潟支店

実施日

令和2年10月26日(月)

背景と目的

新潟市では、新たな価値を生み出す産業の創出に向け、5Gなどの先端技術を活用した取り組みを支援しています。このたび、NTTドコモ新潟支店による5Gに関する実証実験(新潟市産学官連携5G実証実験)を支援しました。

5Gには大きく分けて下記の3つのメリットがあると言われています。

  • 超高速大容量
  • 超低遅延
  • 多数同時接続

これらの特性を活かし、将来的には自動運転や遠隔医療など幅広い用途での活用が期待されています。

実証実験の成果

新潟県内のパブリックスペース(公共空間)として初めて5Gサービスの提供が開始された「万代シテイパーク」を会場とし、下記の実証実験を実施しました。新潟コンピュータ専門学校(NCC)とも連携し、同校学生や報道関係者がVR(仮想現実)やロボット、映像ソリューションをはじめとした各種機材を実際に使用・体験し、5G環境下での動作を体感しました。

  • Vtuber…NCCのオリジナルVTuber「笑主しぃ」を、NCCの学生や来場者らが5G環境下で操作。
  • ROBOT(NCC)…5G環境下でロボットをリモート操作。
  • LiveU(NTTドコモ)…5G通信による高品質な映像伝送ソリューション。
  • newme(NTTドコモ)…遠隔地でのあらゆる体験を実現するアバターロボット。遠隔での打ち合わせ、海外視察、教育、医療、ショッピングなどで新たな価値を生み出す。
  • Magic leap(NCC・NTTドコモ共同)…「MR(複合現実)」環境下でプレイする新体感ゲーム。

会場となった万代シテイパーク

「RYUTist」のパフォーマンスをバーチャルライブ配信

NCCのオリジナルVTuber「笑主しぃ」を操作

5G通信でロボットアームを操作

遠隔地のアバターロボットを操作できる「newme」

MR(複合現実)による新感覚ゲーム「Magic leap」

会場内に設けられたステージでは、新潟市を拠点に活動するアイドルユニット「RYUTist(りゅーてぃすと)」のメンバーが参加し「Swipevideo」を利用したバーチャルライブ配信を実施しました。20台のカメラをメンバーの周囲に配置することで360度の映像を撮影。5G対応のスマートフォンに配信された映像をスワイプすることで自由に視点を切り替えたり、特定の人物にフォーカスしたりできるといった新しいライブ体験のあり方を検証しました。

5Gの通信環境下では、複数人が同時にVR空間を共有することも可能になりました。これにより、VR空間内でのコミュニケーションなどが可能になり、表現の幅が広がったといいます。VR内でカメラマンに扮した学生が体験者を撮影するという試みも実施しました。「超高速大容量」「超低遅延」「多数同時接続」の特性を活かしたわかりやすい例といえます。

実証実験に協力したNCC講師の山中裕介氏は「5G以前の環境では、通信用設備だけでなく、パソコン等の機材も大型化せざるを得ませんでした。通信環境の向上もさることながら、パソコンや関連デバイスが小型化するなど、運用面でのメリットが得られることにもつながると考えています」と話していました。

 

 

今後の展望

当日は、実証実験開始に先立ち、実施主体となった各団体の代表者が登壇。今後の展望について話しました。

「5G時代の新たな産業・文化の創出を、パートナー企業、教育機関、自治体という産学官の皆様とともに、オープンなスタンスで進めていきたいと考えています」(NTTドコモ新潟支店 久保田敦紀支店長)

「コンテンツの開発は、体験なしにはできません。学生をはじめとした皆様には、今回のイベントで体験したことを持ち帰り、新たなコンテンツ創出のきっかけとしていただきたいと思います。今後も産学官の連携で、新潟の映像・クリエイティブ関係の企業を巻き込んでいくような仕組みを作っていけたらと思っています」(NCC 小島友昭校長)

「他に先駆けて5Gの実証拠点となることで、新しい動きが生まれてくることを期待しています。学生や教育機関関係者の皆様にとっても、非常に貴重で有意義な場所になるのではないかと思っています」(新潟市経済部 長井亮一部長)

本実証実験は、本市の将来の産業を担う次世代の技術者やクリエイターの啓発の機会となりました。本市では引き続き、5Gなどの先端技術を活用した民間事業者の実証実験を支援し、ウィズコロナ、アフターコロナも見据えた新たな産業創出に向けて取り組んでまいります。

左から NCC 小島校長、NTTドコモ新潟支店 久保田支店長、
新潟市経済部 長井部長

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